さくぶんようし
私が書きたいものを書きたいときに書くところです。 基本、自分のことしか考えていません。
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13.ストリップ
1、鏡の前に立ちます(全身が映るものが望ましい)
2、服を脱ぎます(できれば、白い広がったスカートから)

 ああなんて、みにくいみにくいみにくいみにくいみにくいみにくいみにくいみにくいみにくいみにくいみにくい……。
 
 ああ、なんてみにくいんだろう。

 二人で服を脱いで、並んで寝そべった時はあんなに白く見えたこの肌も、ふっくらと柔らかそうに見えたこの胸も、腹も、太腿も、フクラハギも、全部。

 こんなに貧相で、浅黒く褪せてしまうなんて。

「さみしい」ということは、みにくいのだ。

 毎日私は鏡の前に立ち、腐りきった虚像の中に、あなたの「形見」の
「さみしさ」を探すのです。
森見登美彦の「走れメロス」
 読みました。
メディアで、「売れています!」とか、「話題作!」とか言われると腰が引けてしまって手を出せない性質なのですが、これは友達にプッシュされたので、「それなら」と読んでみる事に。
 素直に、面白い!!と思いました。この作家さんの作品を読むのは初めてだったのですが、すごく読みやすくスラスラっといけます。
全部読み終わるのに、一時間半かからなかったです。
 元になった作品の一つ一つを、作者の方がどのように解釈しているかといったところが、分かりやすくデフォルメされていて、なるほどと感じました。
 しかし、これは、原作を知らずに読んで、後から原作を読んだほうが、面白さが倍増するかな?とも思いました。
 「走れメロス」と「百物語」に関して言えば、原作を知って読んだほうが楽しめる作品、また、原作を知って読んでも更に楽しめる作品であったように思われます。しかし、「桜の森の満開の下」や「山月記」は、この短編集の中の一つの作品として読むと非常に面白いですが、下敷きになっている原作ありきで考えたときに、物足りないを感じをうけました。
 森見氏のこの作品では、作者が不要と考えた部分が、だいぶ、削られているように感じました。
 私が感じた物足りなさ(「桜の森の満開の下」の女の物凄さがあまり感じられなかったことや、「山月記」における、主人公の家族を犠牲にした事への後悔の念そして孤独感の欠如)は、そういった削られた部分への寂しさにあるのかもしれません。
 
 ともあれ、気になっていてまだ読んでいない人は、ぜひ読んでみることをおすすめします。
 でも、買うとなるとちょっと高い気もしますが…。
 
病める皇帝の祈りのうた に寄せて
 まだ、私が幼く、世界の全ては「良いもの」と「悪いもの」で区別され成り立っていると信じていたころ、一人の少女に出会った。
 年は私より少し上であるように見えた。彼女は、断固たる決意を秘めたような濃い茶色の目で、まっすぐに山の頂を見つめ、いつも静かに草笛を吹いていた。
 その音色は、遙か向こうの海を渡ってきた風と対話するかのように優しく、時に、悲しみに耐えるかのように激しく鳴いた。あの少女は、悲しみを知っていた。本当の悲しみが何であるかを知っていたのだ。
 彼女の瞳の深い色合いは、幸せと同時に存在する悲しみの色だ。今の私にはそれが分かる。
 あの頃私は、誰にも秘密で、あの少女のように葦の葉を唇にあて、そっと息を吹き込んでみた。しかし、その葉は音を立てなかった。
 今の私は、あの葉を鳴らすことができるだろうか。
 
 あの少女の深い瞳を抉り取ったこの指先で、
 あの少女の白い骨をしゃぶったこの唇で。
 しかし本当の悲しみを知った私に、葦笛は応えてくれるだろうか。
12.新幹線
 ういいいいいいいん。
速度を上げるとき、たまに、新幹線は変な音を出す。
トイレを流すとき、シュゴっと変な音を出す。

前の席の子どもと、カブトムシのビニールフィギュアで遊んでやる。 子どもは、名古屋でのって、京都で降りた。

お姉さんがお弁当を売りに来る。
ピンクの服の人が、ごみを回収する。

 ういいいいいいいいん。
通路を挟んで隣のおじさんが、ヤングマガジンを読んでいる。
グラビアは、冬なのに水着。いつでも水着。

「すいません、バニラを一つ。」
新幹線のアイスってどうしてあんなにカタイの??

ねえねえ、グリーン車で井出らっきょが寝ていたよ。

 ういいいいいいいいいん。
新幹線はいつも、ちょっとだけ変だ。



11.サダメ
 「気づいたんだ。神様は子どもだってこと。僕たちの暮らしているこの世界は、子どものやっているお人形遊びでしかないんだ。
 僕たちは上手く作られた操り人形なんだよ。
 わかるかな。
自由に生きているつもりだったろう?僕もさ。僕も、自由に生きようと思ってあがいていたつもりだったよ。でも、そんなの意味ない。どんなに僕らが頑張ったつもりでも、結局操られているにすぎないんだ。
 わかるか?
うん、ぼくもそれを考えていたところだ。どうしたら本当の自由をえられるのかっていうことだろう?それが知りたいんだよな。
うん、まって、ぼくもそう思っていたところだよ。

     糸を切ってしまえばいいんだ。そうすればいい。

さあ、糸をきるんだ。切ってしまおう。切れ、切れ、切れ。
 さあ、さあ、さあ!!!」

             プツ、ん。

             「あ。」